旅の終わり、映画のはじまり

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『キャシアン・アンドー』第一話~第三話感想

 Disney+ で配信が開始されたSTARWARSスピンオフドラマの感想と、今後期待することについて。

disneyplus.disney.co.jp

 

・全体的には、賛否で言えば賛、です。

・かなり話のペースがスロー。加えて、本作のSW世界での時系列的位置づけや、アンドーが何者であるかなど、初心者向けの説明は一切ありません。自分のような長年のSWファン向けの、かなりハイコンテクストな作品であるという印象です。

・三話までの時点でアンドーのキャラクター造形は、飲み屋でお巡りさんに絡まれてうっかり相手を殺してしまう間抜けさ・起用でないところと、スカルスガルドからスカウトされる程の有能さ、という相反する要素が描かれており、ちょっと描写が錯綜しているというか、なんだかうまくいっていないように感じました(観客が彼をもともと知っているという事実に依存しすぎている)。特に冒頭の殺人エピソードはあまりにも「話の転がりのためのエピソードです」感が強く、できれば後の展開でなにか、ひとひねり欲しいところです。

・また、アンドーの友人でありながら彼に嫉妬もしているティムおじさんが悲劇的な最期を遂げますが、正直彼にはまだそこまで感情移入できていないし、なんなら最後の撃たれる場面は警備員の再三の警告を無視してのうえのことなので「そりゃそうなるわな」という感じで、なんの感情も起きませんでした。「オビ・ワン・ケノービ」の時も思いましたが、ぽっと出のキャラクターが死んでも観客の感情はそう簡単には動かない、ということをディズニーは学んでほしいなと思いました。

・アンドーの出身惑星のケナーリですが「なぜ子供しかいないのか」「何を採掘するための鉱山なのか」など謎が多く、今後明かされていくのか、それとも放置されるのか気になります。子供しかいない理由については「大人は鉱山で奴隷のように働かされて死亡した」とかかも知れませんが、現実世界には児童労働や児童の性的搾取という問題があるので、子供には手を出さないのだとすると、帝国の邪悪さを弱く感じてしまいますし、どういう説明になるのか楽しみです。

 鉱山で何が掘り出されているのかですが、カイバークリスタルなのかヴェスカーなのか、あるいはもっとほかの何かなのか、ファンの皆様はどう思われますでしょうか。

 また「アンドーはなぜ妹を平気で置いていき、今頃になって探しているのか?」「なぜ子供たちの武器がそろいもそろって吹き矢なのか?石でも投げたほうが強いのでは?」などストーリー上・設定上の疑問点も多々あります。

 まあ、そこはアンドーの記憶の世界なので正確な現実を現してはいない、ということなのかもしれませんが・・・。

 

・一方で、アンドーを追いかける真面目で無能そうな男、シリル・カーンとその部下のへっぽこオジサンたちの周りの描写は、コミカルでもありつつ悲劇的でもあり、非常に引き込まれました。三話までのエピソードは、アンドーが反乱軍に合流するきっかけの物語でもありますが、シリル・カーンが大敗北し彼の心に歪んだ正義の火が灯る物語としての印象も強く持ちました。ポスターでもど真ん中の位置にいますし、キャプテン・ファズマ現象が起こらなければ、きっと大活躍してくれるに違いありません。敵側が魅力的な物語は面白くなるに決まっているので、ここは本当に期待しています。

 個人的には、シリル・カーンは非常に正義感が強く真面目な人間であるため、「反乱者たち」の某キャラクターのように、最終的には反乱軍側に協力してくれるキャラクターになるのではないか、と予想しています。

・本作は時系列的に「反乱者たち」のあとになりますが、自分は「反乱者たち」が大好きなので、アンドーの全24話のどこかで、(エズラは無理にしても)ヘラやサビーヌ、ゼブやチョッパーが登場してくれたら嬉しいな、と実写での彼らの登場を期待しています。(話はそれますが、反乱者たち関連のグッズが全然手に入らず困っています。どこかにいいお店はないでしょうか)。

 

 (高橋ヨシキさんのYouTubeでメールを読んでいただきました。ありがとうございます。)

 

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